旦那様は征服者~帝編~
「ねぇ、帝」
「ん?どうした?」
「私、場違いだよね?どう見ても…」
「全然。紫織が自分の魅力に気づいてないだけ…」
そうかな…?
違うと思うけどな……。

会場内では、代わるがわる色んな幹部の方が帝に挨拶に来る。
その度に私も挨拶をかわす。
挨拶以上のことは、帝から話すなと釘をさされているので正直楽だが、やっぱり見劣りしてしまう。
「帝」
「何?」
「お手洗い行ってきていい?」
「うん、じゃあ一緒に行こ!」
「うん」
会場を出ようとしたとこに、
「皇帝様。ボスが呼んでます」
「は?親父?マジか…。
紫織、わりぃ。ちょっと行かなきゃならない」
「大丈夫だよ!お手洗いすぐそこだし、済んだらすぐ戻るから」
「わかった。すぐ戻ってこいよ?」
「うん」
一旦離れた。

トイレを済ませ、会場に戻っていると……
「あれ?奥様?」
「え?」
えーと、確か……
ジンさんって言うNo.1ホストの幹部の方だよね?
「フフ…ジンです」
「あ、やっぱり。ごめんなさい…違ったらどうしようって思っちゃって…」
「いいえ!皇帝様は…?」
「会場です。私はお手洗いに」
「そうですか。では一緒に行きましょう」
「はい」
そしてさりげなく腰に手を回された。
「きゃっ!」
「え?」
「い、いや…突然だったので……ご、ごめんなさい!」
顔が熱い………
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