旦那様は征服者~帝編~
「どうしてそんなこと言うの…?」
「紫織が俺の呼吸を奪おうとするからだよ!」
「呼吸…?」
「そう。紫織が傍にいない時、俺以外の奴と話したり、触れたりして嫉妬した時、俺から逃げようとする時、俺を以外の奴の話をする時……まだまだあるけど、そうゆう時って息苦しくて、呼吸ができなくなるんだよ!」
帝が自分の首を苦しそうに擦りながら、言う。

「でも私達は全くの別人だよ?愛し合ってても、完全に一つにはなれないよ?」
「だから一つになろうとしてんじゃん?その為に紫織の全てを管理してるでしょ?」

「だからね、私は━━━」
「もういいよ!!紫織…お前がわからないなら、わからせてあげるよ……。
この苦しい気持ち……」
「何…する、の?」
嫌な予感が……
怖い…………

「そんなの決まってる。閉じ込めるんだよ?またあの時みたいに……。
あの時の紫織も可愛かったなぁ……。俺しか頼れなくて、俺がいないと生きていけなかったもんね…?一人では何もできなくて…。全部俺がお世話したもんね…?」

「嫌!それだけはやめて!!もうあんな思いは嫌!」
浴槽の仲はとても温かいのに、身体がブルブル震える。
あれは生き地獄だ。
あんな思いはもう二度とごめんだ………。
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