旦那様は征服者~帝編~
「くー。重かったぁ。手が痛い…」
もう12時半だ。
電話しなきゃ!

プルプル……
『紫織?遅かったね?電話』
「うん。買い物人が多くて、時間かかちゃって!ごめんね…」
『そう。変わりない?』
「うん。特には」
『ナンパされたりとか、なかった?』
「ううん。ナンパはなかったよ!」
『は?じゃあ何ならあったの?』
「へ?」
『その言い方おかしいね…何があったの?』
どうしよう…変な言い方しちゃった。
あの人のこと話すべきなのかな?
でもおつまみ取ってくれただけだしな…

『紫織。俺が優しく聞いてるうちに言っておいた方がいいんじゃない?』
「ただ、高いとこにあった商品を取ってくれた男の人がいたの」
『へぇーそう…まさか触られてないよね?』
「まさか!触られてないよ」
『そう。だったらいいけど…気をつけなよ』
「うん」

そこで通話をきった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
夜になり、鍵が開く音がする。
「あっ帰ってきた!」
玄関まで帝を、お迎えに行く。
ガチャ━━━━
「ただいま、紫織」
「おかえりなさい」
私に抱きつく、帝。
「では、皇帝様。お疲れ様でした」
「あぁ」
佐倉さんがお辞儀をして出ていく。
玄関の鍵をかけると、後ろから抱き締められた。
「あとでもう一回教えてね?電話で話してたやつ」
「え?うん」

そうして中に入った。
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