ファンタジー
完
加川アサギ/著
- 作品番号
- 1631615
- 最終更新
- 2021/03/07
- 総文字数
- 3,504
- ページ数
- 5ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 332
- いいね数
- 2
神々の時代より少し後の世のこと。
巫女のリィは、大陸の西の果てにある「竜神様の祠」に参拝していた。しかし、賊に襲われ、竜神が封じられているという水晶玉を奪われてしまう。
焦るリィの前に、祭壇の奥から不思議な男性が現れた。実はその男性こそが竜神。水晶玉は封印のための神器に過ぎなかったのだ。
竜神は、リィに頼みごとをする。
「あの水晶玉には、かつて僕を封印してくれた神官が宿っているんだ。どうか彼を助け出すのを手伝ってほしい」
遥か昔、竜神は、
この世の創造主であり、全ての母にあたる原初の神、天神に狙われていた。
天神から身を隠すため、竜神は神官に頼んで自分自身を封印させたのだった。
「彼は恩人なんだ」
そう話す竜神に、リィはうなずく。
「一緒に行きましょう」
しかしリィは複雑だった。「竜神が暴走した時には神殺しをする」という重い使命を先祖代々受け継いでいたのだ。
竜神には使命を秘密にしたまま、竜神や仲間達と共に封印の水晶玉を探す旅に出る。
一方、天神もまた同時期に封印を破っており、竜神を狙い始める。
水晶玉を探す旅を続けながら竜神を守っている内に、リィと竜神はお互い惹かれあっていった。
しかし、時間が経つにつれ、竜神の力は不安定になっていく。
竜神はリィをすっかり信頼しており、
「リィがいるから大丈夫」
と微笑むが、リィは気が気ではない。
やがて、恐れていた事態が起きる。
竜神の力が暴走を始め、リィはそれを阻止すべく、父から受け継いだ神殺しの武器を発動させた。
動揺する竜神。そこへ天神が現れ、邪魔物のリィを吸収し、リィを失った竜神は悲嘆のあまり、水害の禍神となってしまった。
吸収されたリィは、
天神の内部で、神殺しの武器と化していた父や、天神に吸収されていた水晶玉に宿る、先祖の神官の魂と邂逅する。
リィは「竜神を裏切った。全てを壊してしまった」と絶望していたが、父達はリィを励まし、リィを天神から分離させる。
復活したリィは竜神を鎮め、天神と対決。
天神が竜神を求めた理由は、「自分は誰にも愛されていない」という恐怖と絶望ゆえだった。
「あなたの苦しみを分かち合いたい」
リィが差しのべた手を、天神は取り、天神は人間へと生まれ変わった。
そして竜神もまた、人間になることを望む。
後にリィとかつての竜神は結ばれ、人助けを惜しまない、愛情深い人生を歩んだという。
巫女のリィは、大陸の西の果てにある「竜神様の祠」に参拝していた。しかし、賊に襲われ、竜神が封じられているという水晶玉を奪われてしまう。
焦るリィの前に、祭壇の奥から不思議な男性が現れた。実はその男性こそが竜神。水晶玉は封印のための神器に過ぎなかったのだ。
竜神は、リィに頼みごとをする。
「あの水晶玉には、かつて僕を封印してくれた神官が宿っているんだ。どうか彼を助け出すのを手伝ってほしい」
遥か昔、竜神は、
この世の創造主であり、全ての母にあたる原初の神、天神に狙われていた。
天神から身を隠すため、竜神は神官に頼んで自分自身を封印させたのだった。
「彼は恩人なんだ」
そう話す竜神に、リィはうなずく。
「一緒に行きましょう」
しかしリィは複雑だった。「竜神が暴走した時には神殺しをする」という重い使命を先祖代々受け継いでいたのだ。
竜神には使命を秘密にしたまま、竜神や仲間達と共に封印の水晶玉を探す旅に出る。
一方、天神もまた同時期に封印を破っており、竜神を狙い始める。
水晶玉を探す旅を続けながら竜神を守っている内に、リィと竜神はお互い惹かれあっていった。
しかし、時間が経つにつれ、竜神の力は不安定になっていく。
竜神はリィをすっかり信頼しており、
「リィがいるから大丈夫」
と微笑むが、リィは気が気ではない。
やがて、恐れていた事態が起きる。
竜神の力が暴走を始め、リィはそれを阻止すべく、父から受け継いだ神殺しの武器を発動させた。
動揺する竜神。そこへ天神が現れ、邪魔物のリィを吸収し、リィを失った竜神は悲嘆のあまり、水害の禍神となってしまった。
吸収されたリィは、
天神の内部で、神殺しの武器と化していた父や、天神に吸収されていた水晶玉に宿る、先祖の神官の魂と邂逅する。
リィは「竜神を裏切った。全てを壊してしまった」と絶望していたが、父達はリィを励まし、リィを天神から分離させる。
復活したリィは竜神を鎮め、天神と対決。
天神が竜神を求めた理由は、「自分は誰にも愛されていない」という恐怖と絶望ゆえだった。
「あなたの苦しみを分かち合いたい」
リィが差しのべた手を、天神は取り、天神は人間へと生まれ変わった。
そして竜神もまた、人間になることを望む。
後にリィとかつての竜神は結ばれ、人助けを惜しまない、愛情深い人生を歩んだという。
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