愛されヒロインだったはずの妃殿下、遅めの厨二病をわずらう ~私の異能力は魔王によって封じられただけ~
●キャラクター紹介
◎マノン
ヒロイン。小国アザリアーナ王国の王子の妃。新婚。
栗色の髪と紅茶色の瞳の二十代女性。
王子にみそめられ妻となった彼女は、可憐な容姿もあいまって人々から『まるでおとぎ話の主人公のようだ』と思われている。
夫であるリシャールがなぜ自分を気に入ったのか、妻に望んだのかわからず、彼に心を完全にひらくことは、まだできていない。
彼に惹かれ、愛しているので結婚を決めたのだが、リシャールが完璧すぎるため、彼からの溺愛にとまどい、悩んだり不安になったりしている。
実家は貴族の家柄だが、没落しており、結婚前のマノンは娯楽にはあまり縁のない日常を送っていた。
おっとりしていて真面目。そして頑張り屋さん。外国語の勉強が非常に不得意なため、『妃殿下にはもっと外国語の能力をみがいていただかないと……』と、教育係から特別カリキュラムが組まれることになる。

(アザリアーナ王国……昔のヨーロッパのような外観の架空の国だが、異なる世界から転移してきた人間によって、スマホやノートパソコンといったものが持ち込まれ、複製品も普及している)

教育係からすすめれれた『外国語習得が苦手な者にも、魅力的なストーリーとキャラクターで楽しみながら学習を進めることができる、語学レッスンゲーム』で外国語の勉強をすることになった結果――ゲームの世界観(ファンタジーゲームの定番の、魔王や勇者、剣と魔法の設定)に夢中になる。今までゲームにふれてこなかったぶん、どっぷりハマる。
(夫が王子であること以外、これといった特徴のない自分だけど、本当は私には『秘められた力』があるのでは……。)と思いはじめる。

◎リシャール
ヒーロー。アザリアーナ王国の国王の息子。
普段はおだやかだが、マノンのこととなると情熱的で積極的な一面をみせる。
マノンとおなじく二十代だが彼女より年齢は上。
つややかな金髪に青い瞳の青年。
妻であるマノンを溺愛しているが、公務その他で色々と多忙のため寝不足の日が多い。
やわらかな物腰や気品あるたたずまいから、『リシャール殿下は、おとぎ話にでてくるような、王子らしい王子だ』と人々から評価されている。
容姿だけではなく、人柄や頭脳、行動も人々から賞賛されている――が、本人は「自分は完璧な存在などではない」と考えている。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop