丸重城の人々~前編~
「でも可愛いよ。優しいし、気遣いもきちんとできるし。柚の全部が好き!
…つうか、どこがとかないよ!柚のこと考えると自然ににやけるっつうか。宝物だって言っただろ?大切で、いつでも柚と一緒にいたいって思う。人を愛するのに、理由なんて存在しないだろ?」
「うん…そうだね」
「……それよりさぁ…」
「うん、何?」
大翔が柚希の口唇をなぞる。
「抱いていい…?愛し合おう」
「え…。でも仕事で疲れてるでしょ?それにもう遅いし…」
「柚を抱くのに、疲れも時間も関係ないよ…。
ねえ、ベット行こ…?」

ベットに移動して、柚希を組み敷く大翔。
「やっぱ愛しい…柚が。
柚がいれば何もいらない位に……」
「ンン……ふぁ…ん…」
少しずつキスが深くなってく。

「俺はいつだって、柚が欲しいと思ってるよ…」
「私…も。好き…だ、よ…?大翔…。
大翔と…中也くんと響ちゃんだけが…私とちゃんと向き合ってくれた……私も…大翔が宝物だよ……」
「響子はともかく、中也のこと考えないでよ……嫉妬でおかしくなる……俺のことだけ考えて…俺のことだけ見て…」

スプリングが軋む。
「あぁ……んぁ…や、ま…と…」
「ヤバ…も……ダメ……」
今日はいつもより早く果てた。

「ンン……ぷはぁ…」
まだまだ柚希を感じたくて、深いキスをする大翔だった。
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