丸重城の人々~前編~
タタタタ………
バン━━━━!!
「柚!!」
「ちょっと、大翔!シー!今落ち着いてるから…」
病院にかけつけた大翔に、広子が小声で言う。
ベット脇の椅子に座り、響子が柚希の手を握り、頭を撫でている。
「はぁ。
で?なんで、こんなことになってんの?」
「この女が、柚希を連れ出した上に、連れ回したんだよ。しかも一人で外に出しやがった…」
中也が夏姫を睨みながら言う。
その声にはいつもの柔らかさがない。
「やっぱお前か……」
大翔も怒りで、身体が震えている。
「やっぱり入居許すんじゃなかったな、兄貴」
「あぁ。嫌な予感はあったんだ。でも柚のダチだからって油断してた。俺のせいだ…」
「お前…覚悟できてるよな?」
「え?」
大翔の低く恐ろしい声が、病室に響く。
「だから、言ったよな?痛い目見るって!」
と中也。
「こんなことになるなんて思わなくて……ごめんなさい…」
怯えて震えながら、夏姫が後ずさる。
「無理だよ?兄貴は“冷酷な翔”って言われてて、兄貴を怒らせたら“死”しかないって有名だったから」
「フッ…お前だって、男女関係なく殴り殺してただろ?」
「え……」
「ちょっとやめなよ!ここ、病室。
それに柚希にこれ以上、汚ないの見せないで!外でやって!
夏姫、私止めないから!
言ったわよね?柚希の対人恐怖症は、深刻だって。
だから私達が気遣ってあげなきゃって」
「お前、来いよ!望み叶えてやる!
響子、広ばぁ。
柚、頼むわ…」
「早く帰ってきなさいよ!柚希ちゃんが一番会いたいのは、大翔なのよ!」
と広子。
「まぁそれまでずっと傍にいるからね…」
と頭を撫で続けながら、言う響子。
三人は病院を出た。
バン━━━━!!
「柚!!」
「ちょっと、大翔!シー!今落ち着いてるから…」
病院にかけつけた大翔に、広子が小声で言う。
ベット脇の椅子に座り、響子が柚希の手を握り、頭を撫でている。
「はぁ。
で?なんで、こんなことになってんの?」
「この女が、柚希を連れ出した上に、連れ回したんだよ。しかも一人で外に出しやがった…」
中也が夏姫を睨みながら言う。
その声にはいつもの柔らかさがない。
「やっぱお前か……」
大翔も怒りで、身体が震えている。
「やっぱり入居許すんじゃなかったな、兄貴」
「あぁ。嫌な予感はあったんだ。でも柚のダチだからって油断してた。俺のせいだ…」
「お前…覚悟できてるよな?」
「え?」
大翔の低く恐ろしい声が、病室に響く。
「だから、言ったよな?痛い目見るって!」
と中也。
「こんなことになるなんて思わなくて……ごめんなさい…」
怯えて震えながら、夏姫が後ずさる。
「無理だよ?兄貴は“冷酷な翔”って言われてて、兄貴を怒らせたら“死”しかないって有名だったから」
「フッ…お前だって、男女関係なく殴り殺してただろ?」
「え……」
「ちょっとやめなよ!ここ、病室。
それに柚希にこれ以上、汚ないの見せないで!外でやって!
夏姫、私止めないから!
言ったわよね?柚希の対人恐怖症は、深刻だって。
だから私達が気遣ってあげなきゃって」
「お前、来いよ!望み叶えてやる!
響子、広ばぁ。
柚、頼むわ…」
「早く帰ってきなさいよ!柚希ちゃんが一番会いたいのは、大翔なのよ!」
と広子。
「まぁそれまでずっと傍にいるからね…」
と頭を撫で続けながら、言う響子。
三人は病院を出た。