丸重城の人々~前編~
「えぇ、あなた達も?」
さっきまで、穏やかだった柚希の顔が強張る。
そして響子の後ろに隠れた。
「はい、夜の海って綺麗ですね…」
「ママぁ、こちらは?」
「私の親友の柚希」
「こ、こんばん…は…」
「あ、ごめんね…ちょっと理由があって人見知りな子なの。悪気はないから…」
「そうなんですね。
あ、それよりも今日一緒にいた男性二人どんな知り合いなんですか?」
「友達みたいなもんかな?一人はこの子の旦那」
「へぇー。
なんか意外な組み合わせですね…?」
暗くてわからないが、きっと含みのある顔をしているに違いない。
【なんで、この人があんな素敵な人と…?】
と思っているだろうと。
柚希には、それが痛い程わかるのだ。
今までもそんな風に言われたり、態度でしめされたりしたから。
早く部屋に帰りたい。
帰って大翔にギュっと抱き締めてほしい。
そんな思いで、柚希は響子の服を掴んでいた。
「ママ、明日帰るんですよね?」
「うん、そうよ」
「だったら、明日の朝食一緒しましょうよ!
ねぇ、奥様も旦那さんにお願いしてくださいよ?」
「え?」
ヤだよ…怖い……。
そう思っても、断れない。
「ちょっとあなた達!だから━━━━」
「いいですよ。主人にお願いしてみます……」
「え?柚希?何言ってんの?」
「ほんとですか!?やったー!お願いしますね!」
そう言うと、スキップしそうな雰囲気で去っていった。
「ちょっと柚希!?何言ってんのよ!こんな震えてんのに」
「大丈夫。人にも慣れなきゃだしね。ほら、部屋帰ろ!大翔達が心配するよ?」
ホステス達とは正反対の、重たい足取りで部屋に戻る柚希だった。
さっきまで、穏やかだった柚希の顔が強張る。
そして響子の後ろに隠れた。
「はい、夜の海って綺麗ですね…」
「ママぁ、こちらは?」
「私の親友の柚希」
「こ、こんばん…は…」
「あ、ごめんね…ちょっと理由があって人見知りな子なの。悪気はないから…」
「そうなんですね。
あ、それよりも今日一緒にいた男性二人どんな知り合いなんですか?」
「友達みたいなもんかな?一人はこの子の旦那」
「へぇー。
なんか意外な組み合わせですね…?」
暗くてわからないが、きっと含みのある顔をしているに違いない。
【なんで、この人があんな素敵な人と…?】
と思っているだろうと。
柚希には、それが痛い程わかるのだ。
今までもそんな風に言われたり、態度でしめされたりしたから。
早く部屋に帰りたい。
帰って大翔にギュっと抱き締めてほしい。
そんな思いで、柚希は響子の服を掴んでいた。
「ママ、明日帰るんですよね?」
「うん、そうよ」
「だったら、明日の朝食一緒しましょうよ!
ねぇ、奥様も旦那さんにお願いしてくださいよ?」
「え?」
ヤだよ…怖い……。
そう思っても、断れない。
「ちょっとあなた達!だから━━━━」
「いいですよ。主人にお願いしてみます……」
「え?柚希?何言ってんの?」
「ほんとですか!?やったー!お願いしますね!」
そう言うと、スキップしそうな雰囲気で去っていった。
「ちょっと柚希!?何言ってんのよ!こんな震えてんのに」
「大丈夫。人にも慣れなきゃだしね。ほら、部屋帰ろ!大翔達が心配するよ?」
ホステス達とは正反対の、重たい足取りで部屋に戻る柚希だった。