丸重城の人々～前編～

｢フフ…｣
｢何されたの？｣
｢姫、言っていいんだよ！｣
｢玄、何をした…？｣
｢キスした｣
｢は？｣
｢俺が姫にキスしたの！
あ、でも頬にだけどね。ほんとは口唇にしたかったんだけど、歯止め効かなくなる気がしたから…。
それに怖がらせるかなって！｣
｢お前……｣

バコッ━━━！
｢柚。おいで？｣
｢え？大翔…｣
大翔は柚を抱きかかえ、部屋に行く。


｢何やってんの？玄｣
｢姫が真っ白で無防備だから、ちょっと意地悪した。俺だけが穢れてるみたいでムカついて……｣
｢まぁ、それはわからなくもない…｣
｢だろ？｣
｢でも……｣
バコッ━━━！
｢柚希を傷つけたのは許さない！｣

｢同じとこ殴るなよ！殴るなら、づらせよ！｣
｢わざとだよ！｣


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ベットに柚希を下ろす、大翔。
柚希を組み敷く。
頬を撫でると、少し怯えたように震えた、柚希。
｢柚、わかってるよね…？今から何されるか……。
怖い…？｣
｢怖くないよ…。大翔なら受け入れる。全部｣
｢そんなこと言ったら、壊されるよ？俺に｣
｢私、大翔が好き！｣
｢柚？｣
｢大翔が、一緒に幸せになろうって言ってくれたの、ほんとに嬉しかったの。だから私も大翔となら、一緒に幸せになれる気がしたの。
だから、大翔なら全部受け入れる｣
｢だったら、途中でやめないから……。柚が嫌って言っても…｣
｢うん…｣

｢一緒に愛し合って、落ちよう！｣