生きなさい<短編>
君へ。
6歳の冬
両親が離婚した。
私は母と、母方の実家で暮らす事になった。
私が4年生になる頃
恋人ができた母は
家に帰ってくる事が少なくなった。
だけど別に寂しいとは思わなかった。
私には、大好きな祖父がいた。
堅気で真面目な祖父は
礼儀や言葉遣いにはうるさかったけど、
大人になった今でも
あんなに優しい人は居ないと思えるほど
いつも人の事ばかり考えてる人だった。