生きなさい<短編>
生まれつき
色素が薄い私は
髪や目が、ほんの少しだけ茶色かった。
だからイジメられた。
たったそれだけの事で。
クラスメイトは
私の姿を見つけると
目を輝かせた。
私は暇つぶしのエモノだった。
誰も味方が居なかった。
先生もきっと気付いてた。
だけど、手を差し延べてはくれなかった。
怒鳴り込んでくれる親も居ない私に
先生は見向きもしなかった。
その時初めて
私を置いて出て行った、顔も曖昧にしか思い出せない父を恨み
母親であることより、女であることを選んだ母を憎んだ。
要らないなら
産まなきゃよかったのに
と。