生きなさい<短編>
そんな生活を続け
やがて私は16になった。
悪いことは何でもした。
殺人と薬物以外なら。
家に帰ることは
ほとんどなかった。
知り合いの家に転がり込んで生活をした。
体も売った。
別に悪い事とは思わなかった。
ただ
時々家に帰った時
祖父の目を真っ直ぐには見れなかった。
それでも祖父は優しかった。
17になったばかりの春
私は恋をした。
今までの恋愛が
おままごとに思えるくらい
本気で彼を愛した。
24歳の彼は
とても優しくて
子供のように笑う人だった。
私は売りをやめた。
車屋で働く彼の
仕事が忙しくて
毎日は逢えなかったけど
彼の存在が
私の全てになった。
彼と付き合い始めてから
私は眠れるようになった。