生きなさい<短編>


腕を切ることも
ほとんどなくなった。


好きだよ

愛してるよ


彼は私を抱きながら

そんな言葉をたくさんくれた。



幸せだった。


心の隙間を
彼が埋めてくれる気がした。



大丈夫。

もう痛くない。



私は独りぼっちじゃない。


そう思った。



彼と付き合い始めてから

1年が経った。


その頃
私はもう18歳になっていた。



そんな春の日だった






彼が死んだのは。
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