ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「アクショーノフ、ポチャムキン。イーリスよ。食べなさい」
「はい! いただきます」
元王妃に促されて、私はムチムチの七面鳥の足にかぶりついた。
「んんん~っ」
ジューシーで芳醇な香りと濃厚な味付け。
溶けちゃいそう……
「もうひとりの息子、ヨハンよ」
「どうも」
「どうも」
気づいたらヨハンが隣に立っていた。
ポチャムキンは小皿に山盛りにして、少し離れた場所で頬張っている。こうして美味しいお肉を噛んでいると、昂った心が穏やかになっていくからふしぎだ。