ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
ときどき秘密めいた目配せをしあって、堅苦しい口調で話していてもとても親しそうだ。なんだか私も嬉しくなってきて、ふたりを交互に見あげ頷いた。
「ほら、イーリス。あっちにケーキが出てきたわよ」
「えっ!?」
元王妃の指先を追う。
「はわわ……!」
5段構えのデコレーションケーキが、テーブルの数だけ次々と運ばれてくる。
ヨハンが私の口元をちょんっと拭いて、微笑んだ。
「イーリス、行けるかい?」
「はい!」