ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
『プリンセス・イーリス。僕は伝説の卵を探しに旅に出るのさ』
『伝説!? 大きいの!?』
『ああ、大きくて美味しいのさ。さらば……!』
『ヨハンコック! ……行かないでっ!』
『止めないでぇ~』
『甘酸っぱいパイを食べたいのぉーっ!!』
『キッシュも焼くよぉ~……よぉ~……ょぉ~……』
「ヨ……ハンコック……」
「おやすみ、イーリス。よい夢を」
そして清々しい朝を迎えた。
のびをして、あくびもして、前髪の付け根を掻いて、ぼんやりする。
「……?」
枕元にキャンディーが3つ、置いてあった。
私は無意識にそれを口に含み、身支度を整え始める。
髪を梳かし、結って、着替えをして、顔を洗っ……
「?」
キャンディー。
なぜ。