ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「ようふぇいひゃん……」
まあ、いいか。
甘くて美味しいし。
きっと侍女仲間の誰かがくれたのだろう。
誰かの愛人だったりする女性は、たまに、貰い物が要らなくなるとくれたりする。
私は上機嫌で朝の仕事を始めた。
まずは王妃を起こして、着替えを手伝うのだ。
「おはようございます!」
「おはよう、イーリス。口から甘い匂いがするわね」
「はい。どなたかがコレをくださいました」
キャンディーを王妃に見せると、寝起きの顔をギュッと顰めた。
「知らない人から食べ物をもらってはいけません」
「部屋に届いたんです。お城の人です」
「……チッ、あいつ」
王妃はキャンディーの送り主に心当たりがあるようだ。
ほら、やっぱり安全だった。