ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「イーリス嬢の事は忘れて、これまで通り芸術発展にのみ邁進されるのが賢明かと」
「……お砂糖ちゃん……ッ!」
「我が主はこうお考えです、殿下。イーリス嬢の健康を配慮できない者に愛を語る資格はないッ!」
「はうっ」
なんだこの男は……!
幼い頃から僕を否定しまくったあの母と同じ臭いがする……!
いや、現実的に匂っているのは本人の言う通り、爽やかなミントの香りだが。
そして僕の右手からひたすらマロングラッセの濃厚な甘い香りが……。
くそっ、混乱する!
僕はただ、イーリスに喜んでもらいたかっただけなのに……!!
「くんくんしない!」
「!」
なんという事だ。
イーリスは、この男の言いなりだ。