ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「いやぁ、母上が異国の美酒を隠し持ってないかと思って、確認しにきた」
「ありますよ。甘いロゼに、100年物の──」
「君は……?」
「ふぁい?」
すらりと背が高くて甘い顔立ちのヨハン王子が、私の顔にぐっと顔を寄せた。
「ごふっ」
「ああ! 大丈夫!? ごめんね、驚かせて」
高貴な王子の美しい手が私のむっちりした背中をさすった。
驚きすぎて噎せる感じが治まらない。コックが王子にミルクを渡し、王子が私の口にミルクを宛がう。
甘い匂いには逆らえない。
「……っ」
「ゆっくり飲んで。さあ、ゆっくりね」
「……、ぷはー」
さて、どう言い訳しよう。
と思ったら、王子が袖で私の口元を拭いた。もう仰天だ。