ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「……クロードさん」
イーリスがしょんぼりと肩を落とし、上目遣いで彼を見る。
悲哀に満ちた、愛らしい瞳。
ああ、胸が痛い。
「なにも永遠に魚ばかりとは申しません。ただ、砂糖の禍が増やした分の毒素を取り除くまで、肉は鶏肉、ハーブとわずかな塩で味付けしたものがよろしいかと。油を使わず蒸すのが好ましい。あと、卵スープ。そしてアーモンド」
「……だそうよ、イーリス。クロードと一緒に、厨房へ行って伝えてきなさい」
「はい、王妃様」
「クロード」
「はい、陛下」
私は医師を呼び止め、威厳を以て命じた。
「その子におやつを」
「……」
「あなたが許容できて、その子が喜ぶものを」
「……御意」
味気ない蒸し鶏だけでは可哀相だ。
私は知っている。城で暮らし宝石を身に着けようと、すべては虚しい。
食べて、飲んで、笑う。それこそが人生なのだ。