ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
8 美しきイーリス嬢を求めて
「ご覧ください、陛下」
「これは?」
見せたいものがあると言われて王妃の部屋まで行くと、そこには既にクロードと見知らぬお爺さんがいた。いや、ちょっと違う。お爺さんと小父さんの間くらいの男性がいた。
「ああ、イーリス嬢。やっとお目見えですか」
「すみませんクロードさん」
「イーリス。こちらは画家のバジンカ」
「王妃様、参りました。はじめましてバジンカさん」
そしてもうひとり。正確には、もうひとつ。
可愛い乙女の肖像画がでんっと鎮座していた。バジンカは画家なのだから、彼が画いた絵のはず。
さすが、画家。
上手い!