ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「おはよう。お使いかい?」
「はっ、はい……王妃様のお手紙を、ジョンに……」
「そう。いつもありがとう。母上は君と過ごせて幸せだな」
「あの……私も……っ、幸せです……っ」
王子がぐっと顔を寄せてきて、私の鼻を、つんつんした。
「ごめんよ、イーリス。僕が不甲斐ないばかりに、あれっきりおやつをあげられない。少し痩せたね。とても可愛いよ。君なら、ぽちゃっとしていてもスラッとしていても可愛い。ああ……イーリス。きっと僕がこの医者から救い出してあげるよ」
「殿下……」
「おやつを、君に……」
「そのくらいでいいですか?」
クロードのぴしっとしたてのひらが、王子と私の顔の間に壁を作った。