ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「元気ですね。いやぁ、あんなに基礎体力があるとは思いませんでした」
「昔からうるさい子なのよ」
「芸術かぶれの軟弱者だというのは、どうやら誤解だったわけですね」
クロードは王妃にも率直に意見を述べる人だ。
私は窓から身を乗り出して、ヨハン王子に手を振った。
「殿下ぁ~!」
「んららっ!? イーリス! 愛しのイィ~リィィィィ~ッス!!」
「やっと言葉を発したわ」
王妃は、王子がなにをやっても気に入らない様子。
でも、私は王子はなにをやっても素敵だと思う。
「殿下ぁ~っ! 素敵なお歌ですねぇ~っ!!」
「イーリス! 君のために、身の潔白を証明したよッ!!」
「おめでとーーーございまぁーーーーすっ!!」
「ありがトゥッ!!」
「へいっ♪」
「やめなさい」
ぺしっ!
王妃に、お尻を叩かれた。