ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
スカートを持ち上げて、転ばないようになんて考える暇もなく、ひたすら足を繰り出した。最近はクロードの食事管理があって少し痩せた気がしていたけど、以前よりすごく体が軽い。
全速力で走って城を出ると、少し離れたところで花を撒いていた王子がすぐ私に気が付いてくれた。
「イーリス!」
「「「イーリス!!」」」
踊り子たちが私の名前を呼んだ。
ぴしっと揃っている。
すごい!
「殿下ぁ~ッ!」
「おいでイーリス!」
私は走って、走って、走って、王子の胸に飛び込んだ。
「!」
王子が私を抱えてクルクルッと回る。
踊り子たちが、王子と私に花びらをふぁさふぁさ振りかける。
「きゃぁ~♪」
最高に幸せな気分だ。