ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
「ああ、たしかにいい匂い」
「なにかしら」
戸口にデコレーションケーキが現れた!
「ケーキよ!!」
「きゃあ! 殿下!!」
「えっ!? 殿下!?」
たしかにヨハン王子の姿もある。
ヨハン王子は片膝をついて銀のトレイを持ち、扇いで匂いを送ってきている。
罪深い……!
「ででっ、殿下! こんなところでなにを……!?」
「ケーキ……」
「イーリス! ふらふらしないで、失礼よッ」
「さぁ~僕のお砂糖ちゃぁ~ん美味しい美味しいふわふわケーキだよぉ~」
「「 え 」」
気づくと私は廊下に座り、窓の下でクリームを舐めていた。
隣には第二王子ヨハンが匙を手にニコニコしていた。