ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!

「ひゅはっ」

「よしよし。んーっ」

「!」


またギュッと抱きしめられて、キスされた。
王子は私に、息をしてほしいのか、息を止めてほしいのか。


「ぷはっ」

「ははは。可愛いなぁ、イーリスは」

「ででっ、でんッ?」

「さあ、これを」


王子が、踊り子のカゴから一輪の花を見つけ出し、私の髪に挿した。


「うん、可愛い」

「……」


なんだか、驚いてるはずだったのに、ウキウキしてきた。
王子が手をつないでくれた。それで王子を見あげたら、嬉しそうに笑っていた。
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