ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
11 実らなかった初恋(※王妃視点)


窓から愚息と可愛いイーリスの燥ぐ姿を見おろして、虚無を感じた。


「……」

「ふむ。やはりイーリス嬢はやや丸みがあっても可憐でしたが」


まるで砂にでもなったような気分だ。
王妃アレクサンドラという砂の像が、風に吹かれてサラサラと崩れて消えそう。


「痩せると城映えしますね。実に可憐で美しい」


政略結婚をして世継ぎを産んで、私は務めを果たした。
敵国同士が協力関係を結び、外交も順調、もう余生を楽しめばいい。
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