ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
イーリスのように、手をつないでスキップした時代が確かにあった。
そしてそれは、失われてしまった。
心の潤いも、熱さも、喜びも、冷たい眠りについている。
「やはり髪は女の命ですね。実に編み込みやすそうな髪だ」
「あなたにはあげないわ」
「はい?」
愚息と忌み嫌ったのは、私が夫を嫌いだからだ。
私の恋を、心を、すべてを踏み躙って国交と世継ぎを手に入れ、自分は色狂い。
許せなかった。
「本当のヨハンを知らなかった。クロード、あなたが暴いた」
「健康は秘密でしたか?」
「ええ。とっくに梅毒でヤク中かと思っていたわ」