ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
13 新しい朝(※元王子視点)
新しい朝がきた。
素晴らしい朝だ!
「……すぅ……すぅ……カスタード……クリーム……ふっ」
「甘い夢を見ているんだね。もう少しおやすみ、イーリス」
「はぃ……」
あああ、僕の奥さんはどうしてこんなに可愛いんだ。
寝言も可愛ければ、寝言なのにいつも返事してくれるのがまた可愛い。
さて、朝だ。
クロンビー領は花の都にほど近く、それでいて海路にも合流しやすい。緑豊かで小さな湖と森を持つ、旅行者や芸術家を招くにはもってこいな土地だ。