ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
14 新しい朝
「ん……」
讃美歌の大合唱で目覚める、朝。
「ふぁ~あ」
ベッドに座って、あくびと背伸び。
すっかり空っぽのお腹を撫でて、身支度を整える。
きちんとしておかないと。
もう公爵夫人なのだし。
「奥様。はい、できました」
「ありがとう、ございます」
「もう、嫌ですわ。私は侍女なんですよ」
「そ、そうですね……慣れなくて」
「さぁ、参りましょう奥様」
「はい」
ずっと王妃に仕えていたのに、急に逆の立場になってしまって困惑ばかり。
私は、誰かに傅いてもらうような立場じゃないのに。