ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!

でも、母くらいの年の侍女は気さくで働き者。侍女というより、そう、家庭教師みたいだ。子供の頃を思い出す。


「あ、奥様。オイルを」

「あ」


部屋をでる間際、小さなスプーンでひとくち、木の実のオイルを舐めておく。


「んっ、あーあー」

「いかがです?」

「はっ♪ イイ感じです」


朝から歌う場合があるから。
本当に愉快な城だ。

廊下に出ると、すぐクロードに出くわした。


「あ、奥様」

「おはようございます、クロードさん」

「おはようございます。奥様、今日からしばらく留守にしますので自己管理を怠らぬようお願いします」

「えっ!?」
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