ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!


「あなたはいずれ私の甥か姪のじぃじ(・・・)になる御仁です。清々しくも芳しい初秋の日に、家族団欒のピクニックや弟お抱えの楽団や道化師たちと、牧歌的かつ芸術的な休息をとって頂きたいと思ったまで。親切心ですよ」

「仕事があります」

「どんな時も、職務を全うできる環境が守られるわけではないのですよ」


 鋭利な煌めきを瞳の奥に見て、息を呑んだ。
 今、この城で、なにかが起ころうとしている……。
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