この男子に要注意!
『それでは、最終競技、借人競走を始めます。参加選手はグラウンド中央に集合してください』
長かった体育祭もいよいよ最終競技を迎えた。
この競技には帝も参加する。
わたしは9レース中、3レース目。帝は最終レースに出る。
最後の競技で、表彰式の前ということもあり、グラウンドに沢山人が集まっていて、目立ってしまうのが少し恥ずかしい。
「けーい」
「ひゃい!」
落ち着かなくて、ソワソワしている時に名前を呼ばれたから変な声を出してしまった。
「ひゃいって、なにそれ、、、面白すぎる」
わたしに声をかけてきたのは帝だった。しかも、お腹をかかえて笑っている。
「ほんとに何よ、こっちはただでさえ緊張してどうしようもないのに」
恥ずかしくて、顔が真っ赤だと思う。