この男子に要注意!
「なんで緊張?」
「人が沢山見てるから……」
「圭衣にしては可愛い悩み事だね」
わたしの手を取って、繋いでくれる。逆に目立ってる気もするけれど、何故かそれは大丈夫だった。
「……うるさい」
「大丈夫、圭衣はなんでも可愛いよ」
「……………………あほばか、ばかばかばかばかばかばかばか」
わたしなりの最大限の照れ隠し。ほんとに、帝のばか。緊張なんかどっかに行っちゃう。
『3レース目の選手は定位置に着いてください』
「い、行かないと」
「うん、頑張ってね」
帝に送り出されて、スタート位置に向かった。
┉ ┉ ┉ ┉ ┉
わたしの結果は8人中4位という中途半端な結果だった。
敗因は、沢山人が押し寄せてきて、その人たちに埋もれてしまった事だ。多分。