この男子に要注意!
「圭衣」
講堂から教室に戻っている途中、いきなり名前を呼ばれた。
「はい……って圭祐か。どうしたの?」
どうやら、わたしの名前を呼んだ人の正体は入学式のために学校に来ていた圭祐だったらしい。
「買い物なんだけど、入学式終わったら真っ直ぐいくぞ」
「何時くらい?」
「多分2時半とか」
「わかった。ブラリリで待ってる」
ブラリリとは、ブラックリリーという学園内にあるカフェの名前で、ある程度のお金を学校に寄付している生徒しか使用できない。
もうひとつ、リリーというカフェもあって、そこは誰でも使用することが出来る。
「迎えに行くから絶対そこにいろよ?」
「はーい」
圭祐は、わたしに対して少しだけ過保護気味だ。