この男子に要注意!
こんな感じだ。
「ママもパパのこと大好きだね」
「そ、そう、そうよ?」
顔は赤くなっていないけれど、耳が真っ赤だ。
「やば、今何時」
ドタドタと大きい音を立てて階段を降りてきたのは、わたしのお兄ちゃんである、佳都だ。
今日は黒百合学園の入学式で、お兄ちゃんはそこの2年生になった。私たちは2人兄妹の年子なのだ。
学校は、私は午後からだけれど、在校生は午前中に始業式があるから、早く行かなければいけない。
「そとで椛くん待ってるよ、急げ急げ〜」
パパが佳都を煽りながら見送る。お兄ちゃんには、厳しいパパ。
そして椛くんは、お兄ちゃん専属の人で、朔羅さんの息子さん。今年で19になるみたい。
私の専属の人は、パパの専属さんだった山田さんの孫である結衣。23歳で、私よりも少し大人の人。