この男子に要注意!
「この1年生達大丈夫なの?あと20分で入学式始まるけど」
疲れすぎていたのか、心の声がつい口に出てしまっていた。
「そこのお姉さん。まだ、受付やってる?」
そう言って、わたしに話しかけたのは受付していないだろう4人のうちの1人だった。
「やってますよ。お名前は」
「東条穂高です」
多分、彼は東条建設の跡取りだ。お父さんが開いたパーティーで見た事がある。
180くらいの長身、ミルクティー色のセンター分けに片耳にブラックダイヤのピアス。極めつけには子供から大人まで色んな年代の女性を虜にする、謎の色気。
「はい、学生証とカードキーです。ゆりの花は、胸ポケットに入れてください。次の方どうぞ」
「はい、高嶋樗木です」
「高嶋くんね。はい、東条くんと同じようにお願いします」
そう言って、3点セットを受け渡す。