この男子に要注意!
「じゃあ、もう1回約束しなおそっか」
「へ?」
完全に彼のペースに飲み込まれてしまっている。
「圭衣、俺とおそろいの指輪つけませんか?」
「もしかして……氷翠くんって……」
わたしが17年間生きてきた中で、指輪の約束をした人なんてひとりしかいない。
「そうだよ。大きくなったから迎えに来た」
嬉しさと驚きとでその瞬間だけ時間が止まったように思えた。
「あ、いたいた〜。帝何してんの?」
わたしが感動に浸っていると、どうやら穂高くんが氷翠くんを迎えに来たらしい。
「あ、穂高。なんできたの」
「なんでって、入学式抜け出すやつがどこにいんだよ」
穂高くんがドアにもたれ掛かり、呆れた様子でそういう。