この男子に要注意!
「それもそうか。じゃあね、先輩」
「あ、うん」
そうして、氷翠帝は、嵐のようにやってきて、嵐のように去っていった。
「マスター、わたしの予想大当たりだった」
氷翠くん達がいなくなった途端マスターにそう語りかける。
「そうみたいですね」
そう言いながらも、やっぱりマスターは手をとめない。
「それに、あの子わたしよりも歳下だったんだね」
「恋愛に年齢なんて関係ないですよ」
そう言って、冷めきったココアを入れ直してくれた。
「わかってる。ありがとう」
「それにしても、あの坊ちゃん。Peachの御曹司様じゃないですかね」
Peachとは、世界最大級のソフトウェアを展開している大企業だ。
「そうなの。そんないいとこ育ちのお坊ちゃんなのね」