この男子に要注意!




「げいすげぇ〜、酔ったぁ〜」



「お前、酔い止めとか常備してないのかよ」



思っていたよりも圭祐がスピードを出すから思いっきり酔ってしまった。



「だって、いつも朔羅が持ってるから」



「はぁ……。そゆこと」



今、圭祐はきっとわたしに呆れているのだろう。



生まれてからずっと朔羅が身の回りの事はなんでもやってくれていたから、自分のお世話は結構苦手だったりする。



「お嬢様、大丈夫ですか?」



車から出て圭祐に文句を言っている途中、いいタイミングで朔羅がわたしを迎えに来た。



「ちょっと朔羅、酔った後でも効く薬持ってきて……」



「かしこまりました。圭祐様、お嬢様のことお部屋まで送っていただいてもよろしいでしょうか」



「ああ、別にいいけど」



「では、よろしくお願いします」



朔羅は、どこまでも抜かりない。
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