この男子に要注意!
「かしこまりました」
そう言って、朔羅がわたしの部屋から颯爽と出ていく。
「圭衣、入るぞ」
朔羅が出ていったあとすぐ、圭祐がノックもせずにわたしの部屋に入ってくる。
「ノックくらいしてよね」
「ああ、忘れてた。ってそうだ、母さんがお前のことよんでたぞ」
どうやら、いつものアレが始まるようだ。
「わかった。今行く」
そうして、嫌々お母さんが待っている別館の居間に向かう。
「圭衣お嬢様、行ってらっしゃいませ」
屋敷の中にいる執事やメイドがわたしとすれ違う度に挨拶をしてくる。
わたしでも、何人この屋敷で働いているのか分かっていない。
「あら、圭衣お嬢様、……圭衣お嬢様?そのまま言ってしまうと壁にぶつかりますよ」