この男子に要注意!
「いいのですよ、これくらい」
仕事だから当然だ。という顔をしている。
本来ならわたしが自分でしっかりこなさなければいけないことだ。しっかりしなきゃ。
「あれ、圭衣先輩だ」
そう言って、わたしに話しかけてきたのは、沢山のマダムを後ろに連れて歩いている東条君だ。
相変わらず片耳に着けているブラックダイヤのピアスがキラキラ光っている。
「あ、東条くん」
「やだなぁ、せっかくだし名前で呼んで下さいよ」
そう言って、わたしの顎をクイッと持ってくる。
「ちょっと、やめてくれる?」
「ああ、ごめんごめん」
そう言って、わたしの顎から手を離す。きっと今は顎クイみたいなものをされたのだろう。