この男子に要注意!
「わたくし、飲み物をとってまいります」
朔羅は、わたしにさらに何かを探られる前に物理的に距離を置くことにしたらしい。その後、朔羅が戻ってくることは無かった。
朔羅が居なくなってから30分程がたった頃。
「お集まりの皆さん、本日は僕のために足を運んでいただき、本当にありがとうございます」
今回のパーティーを主催した氷翠くんがそういった途端、舞台を降りてどこかへ歩き出した。
なにかあったのか、と思いつつ彼のことを目で追いかけていたらいつの間にかわたしの目の前にいた。
「この度、僕、氷翠帝は、こちらにいる西宮財閥のご令嬢の西宮圭衣さんと婚約致しました。皆さん、ぜひ暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。では、引き続きパーティーをお楽しみください」