この男子に要注意!
氷翠くんがそういった途端、会場から大きな拍手や、お祝いの言葉が飛び交った。
「ねえちょっと、どういうこと?」
わたしは、氷翠くんの顔を見ずに口だけ動かしてそういった。
「そのままの意味だよ。嫌だった?」
「嫌とかそういう問題じゃないでしょ。婚約者のわたしがなにもしらないなんておかしいと思わなかったの?」
そう言い切って、腕を組みながら氷翠くんの顔を見る。
すると、彼の顔は少し驚いていた。
「どうして、そんな驚いたような顔してるの?」
「なんていうか、婚約者になってくれるのはいいんだな〜って」
嬉しそうに横にいたわたしの顔を覗き込んでくる。