この男子に要注意!
学校全体にわたし達への指示放送が鳴り響いた。
うちの高校は体育館が全部で6つもあって、校舎から体育館に移動するためには1度外に出て講堂やブラリリとリリーの前を通る必要がある。とても移動が大変だ。
わたし達は今、講堂を間に挟んでブラリリとリリーの反対側にあるグラウンドにいたため、体育館まではそこまで遠くない。
体育館に移動する途中、珍しく1人で歩いていた帝を見つけて、わたしは走って駆けつけた。
「帝、おはよ」
肩をトントンと後ろから叩いてそういう。
「あ、先輩。おはよ」
パッと見ただけでわかる通りとても眠そうな様子だった。
「なんでそんなに眠そうなの?」