この男子に要注意!




「ないしょ」



そう言って、自分の唇に人差し指を当ててシーっとやっていた。



「それ、腹立つからあんまりしないでくれる?」



わたしは、半ギレの状態で帝に訴えた。



「ごめんごめん。てか、先輩プログラム持ってる?」



「はぁ……。持ってないけど、ネットに載ってると思う」



「おっけー、ありがと」



そうして、ジャージのポケットからスマートフォンを取りだし、検索し始めた。



「わたしも見ようかな」



そう言って、胸元に背負っていたウエストポーチからスマートフォンを出そうとすると、



「なんだ、先輩も見てなかったの?俺ので一緒に見よ」



そう言ってきたので、彼が寝っ転がっているソファに近づいて、スマートフォンを覗く。



わたし達の顔の距離はきっと5cmも無い。
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