この男子に要注意!
「帝何でるの?」
「俺は、バレーとバスケと借人。先輩もバスケ出るよね」
どうやら、わたしの分まで出場する競技をチェックしていたらしい。
「え?うん」
「ちょっとだけでも抜けて見に行くね!楽しみに待ってて?」
「別に来なくてもいいけど」
本当は応援して欲しい気持ちもあるけれど、本当のことは言わないでおいた。
「えー、俺は先輩が来たら嬉しいけどな」
「そう?じゃあ、行ってあげなくもない……ですけど……」
そんなことを言われたら行くしかなくなる。
「うん、先輩のおかげで頑張れそう」
「わたしがいなくても頑張んなさいよ」
「はいはい、それじゃ、時間だしそろそろ行こ〜」
スマホの時計を見ると9時50分。わたし達はゆっくり歩きながらそれぞれの会場へ向かった。