○●雨色ドレス●○
その声で車内はピタリと静まり返った。僕が言ったんじゃない。この声は……
「なんだお前は」
「てめぇいま、こいつの太もも触ってただろ!」
うろたえる中年男の腕を力強く掴み、女子中学生の前に立っていたのは紛れもない――あのギャル女だった。
「なっ、なにを言うんだ急に。こんなガキ触るわけないだろ。全くこれだから馬鹿な女は……」
「おい! お前触られてたんだろ?」
ギャル女が女子中学生に問いかける。だけど、周りの人間も女子中学生も何も言わずに、下をうつむいたり目を泳がせたりしている。
「ははっ、酒とタバコでおつむがいかれてるみたいだな。全く気分が悪いわ」
中年男はブツブツと口をとがらせて言いながら、僕の横を通り過ぎ隣の車両へ移ろうとした。
「なんだお前は」
「てめぇいま、こいつの太もも触ってただろ!」
うろたえる中年男の腕を力強く掴み、女子中学生の前に立っていたのは紛れもない――あのギャル女だった。
「なっ、なにを言うんだ急に。こんなガキ触るわけないだろ。全くこれだから馬鹿な女は……」
「おい! お前触られてたんだろ?」
ギャル女が女子中学生に問いかける。だけど、周りの人間も女子中学生も何も言わずに、下をうつむいたり目を泳がせたりしている。
「ははっ、酒とタバコでおつむがいかれてるみたいだな。全く気分が悪いわ」
中年男はブツブツと口をとがらせて言いながら、僕の横を通り過ぎ隣の車両へ移ろうとした。