○●雨色ドレス●○
「そうですかー。じゃあ今度もし会った時にでもこれを」
 
おしゃべり駅員が僕に手渡してきたのは、うぐいす色の紙袋に、高そうな菓子詰めと白い封筒が2つ。
 
「あの、だから全くの赤の他人で……」
 
「でも連絡先が分からないんじゃあどうしようも出来ないですしー」
 
「だからって……」
 
「まぁ、見つからなかったら全部あなたが貰ってください。トドメはあながさしたんですから! アハハハハハ」
 
アハハハ……ハハ
 
はぁ……。
 
こんな奴らが駅員だから痴漢もクソも暴れ回る無法地帯になったんじゃないのか!?
 
と、愛想笑いを浮かべながら僕は苛立っていた。
 
 

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