○●雨色ドレス●○
「っはよー。あれ? 父ちゃんと婆ちゃんは?」
僕はテレビのリモコンを探しながら母ちゃんにたずねた。
「おはよう。今日は父ちゃんとお義母さんは早番なのよ。ケンちゃんも早くご飯食べて準備なさい。あたし達は遅番で15時出勤なん――」
「ちょっま、何それ聞いてないよ!……えっ?」
すると母ちゃんは「はっ、こいつ何を今更?」みたいな怪訝な表情を浮かべ、首を傾げた。
「……まぁそれよりご飯にしちゃいましょ。冷めちゃうわよ、味噌汁」
「えっ……あ、うん」
なんだかなぁ、すっかりペースを持ってかれているような気がする。まぁいいか。たまの親孝行だ。新しいバイト見つかるまでの暇つぶしって事で、少し手伝ってやるかぁ。コンビニ楽そうだし。
僕はそう自分に言い聞かせつつ、台所から漂ってくる味噌の匂いに魅了されていた。
不覚にも顔がにやけてしまう。最近食べたのは、セブンのインスタント味噌汁だしな。久しぶりにオフクロの味ってやつをいただけるぞ―。
「さあ、ケンちゃんの好きな味噌汁よ」
そう言って母ちゃんがテーブルの上に、自信満々に置いたのは、トレイの上に大量に並べられたインスタント味噌汁だった。
僕はテレビのリモコンを探しながら母ちゃんにたずねた。
「おはよう。今日は父ちゃんとお義母さんは早番なのよ。ケンちゃんも早くご飯食べて準備なさい。あたし達は遅番で15時出勤なん――」
「ちょっま、何それ聞いてないよ!……えっ?」
すると母ちゃんは「はっ、こいつ何を今更?」みたいな怪訝な表情を浮かべ、首を傾げた。
「……まぁそれよりご飯にしちゃいましょ。冷めちゃうわよ、味噌汁」
「えっ……あ、うん」
なんだかなぁ、すっかりペースを持ってかれているような気がする。まぁいいか。たまの親孝行だ。新しいバイト見つかるまでの暇つぶしって事で、少し手伝ってやるかぁ。コンビニ楽そうだし。
僕はそう自分に言い聞かせつつ、台所から漂ってくる味噌の匂いに魅了されていた。
不覚にも顔がにやけてしまう。最近食べたのは、セブンのインスタント味噌汁だしな。久しぶりにオフクロの味ってやつをいただけるぞ―。
「さあ、ケンちゃんの好きな味噌汁よ」
そう言って母ちゃんがテーブルの上に、自信満々に置いたのは、トレイの上に大量に並べられたインスタント味噌汁だった。